ご質問・回答

■臨床心理士系の大学院受験を志望する皆様へ■

臨床心理士指定大学院を志望なさる皆様は、すでに「臨床心理士とはどのような職業か」「第1種指定校と第2種指定校の違い」、「専門職大学院とは」、という基本的な知識はもっていらっしゃるでしょう。
ここでは、皆様からの代表的な質問に対する回答をあげています。

1.臨床心理士指定大学院受験志望者の共通の疑問への回答

「臨床心理士の指定大学院を受験したいが、何を勉強すれば良いか?」

回答:「受験に必要な科目・準備すべき事項」は下記の4つです。

  • ①心理学英語:志望の大学院が、辞書持ち込み可か不可を調べましょう。
  • ②臨床心理学:この学習範囲くらい広いものはありません。市販の参考図書ではインプットは不可能です。
  • ③基礎心理学:一般的には基礎心理学からの出題は、語句説明程度ですが、基礎心理学を重視する大学院もあります。
  • ④研究計画書:臨床心理学は科学です。従って先行研究があります。

思いつきの研究計画書では通用しません!

②、③の学習方法の基本は、下記の図書を参考にして下さい。

・「短期決戦!心理学論述対策 人気校・ブランド校編」―臨床心理士・指定大学院合格book
出版: オクムラ 書店 発売日: 2009/04: 単行本

・「短期決戦!心理学論述対策 難関校編」―臨床心理士・指定大学院合格book
出版:オクムラ書店 発売日:2011/02:単行本

心理英語の学習法に関しては、下記、「3.特に心理英語の勉強法について」で詳しく解説しています。

「どのような大学院を選べば良いか?」

回答:まずは、下記のような大まかな視点から考えて下さい。後はこちらで助言させていただきます。

・大人と子ども(乳幼児・児童・思春期)お年寄り:
どの年齢の皆様への援助に興味がありますか?

・病院やクリニック、学校、企業、福祉施設などの場所:
どのような場所で援助活動したいですか?

上記がおおまかに決まっていれば、受験する大学院はおのずと、決まってきます。是非、ご相談下さい!

「受講するにあたって、どのコースを選べば良いのか?」

回答:初学者の皆様は、「臨床心理士指定大学院基礎コース」、全20回を受講して下さい。

受験をすでに経験なさっている方、自己学習が十分深まっていると考える皆様は「臨床心理士指定大学院ハイレベルコース」、全20回を受講して下さい。

志望大学院が決まっていて、基礎・ハイレベルの知識がある方は、「特別プログラム」を受講して下さい。

自分にどの程度の知識が深まっているか判断できない方は、当予備校で特別に「スクリーニング・テスト」を行わせていただきます。

2.他学科在籍・出身の皆様の主な疑問

「他学科在籍の現役生・他学科出身の社会人でも受験をクリアすることが可能か?」

回答:私の経験から明確に言わせていただきます。学科は全く関係ありません。

心理学科出身の皆様のレベルでは、現在の臨床心理士系大学院の受験に関しては、他学科の皆様と同様です。在学中の学習と受験用の学習は全く異なります。

例:「行動療法」 左記の語句を簡潔に説明しなさい。

・心理学科在籍、卒業生の方の反応:
「あ、見た、聞いたことはあるな、、、、でも書くとなると・・・難しい・・・」
この程度のレベルです。

・他学科在籍、卒業生の方の反応:
「見たこともない、、、。これは難しいのではないか?」という反応です。

大差はありません!私が毎回、口を酸っぱくして言っていることは、心理学科と他学科に在籍・卒業という条件は全く関係ありません。 大学院受験となると、皆さん、横一線、同じレベルと考えて良いでしょう。ご安心下さい! 当予備校の今年度・秋受験の合格者の方の約半数の方々は、他学科出身の方です。 他学科といってもさまざまでした。音楽学科・栄養学科・経済学科などです。

「社会人をいつまで続け、いつから受験に専念したらよいか?」

回答:毎年、社会人の皆様、合格を決めていらっしゃいますが、実質約1年の学習は必須でしょう。

就労をしながらの受験の学習は大変です。最低、1年は覚悟して下さい。大学院のレベルは関係ないということであれば、6ヶ月でも難しくはありません。

3.特に心理英語の勉強法について

心理英語が苦手な受験生は大勢いらっしゃいます。
実際に、志望校の心理英語の過去問を見て、その難易度に驚かれる方はかなり多いでしょう。
そのような皆様のために、心理英語に関して寄せられる主な質問と回答をまとめてみました。是非、学習のご参考にしていただければ幸いです。

「出題される英語の内容は、どのようなジャンルから出題されるのでしょう?」

回答:大学院の英文の内容については、心理学の論文や雑誌など心理学に関連する長文を出題する学校と、心理学以外のジャンルの長文を出題する学校があります。
従って、まず、自分の志望校がどのようなジャンルの英文を出題するかを分析することが必要となります。
心理学の分野から出題される場合は、心理学の専門用語を英語で覚えることが必須となります。
つまり、心理英語の試験で合格点を取るためには、志望校毎の過去問分析が必要です。

「大学院入試の問題と大学入試の問題とでは、どのような違いがあるのでしょうか?」

回答:大学院入試の問題形式は、英文の和訳及び要約が中心となります。大学入試では、単語力と文法力が必要とされますが、大学院入試では、それらを基盤として、英文の構文を和訳する力が何より必要とされます。

「過去問を分析する際、どのような観点から分析すれば良いでしょうか?」

回答:まずは英語の長文の内容について、心理学に関するものであるか、それ以外の内容であるかを確認してください。心理学の長文であれば、臨床心理学、基礎心理学、心理統計学のどの分野の文章から、主に出題されているかを分析する必要があります。
次に、出題形式の確認が必要で、具体的には、長文の全訳、下線部訳、要約、英作文などのうち、どのパターンが多いかについて見ていきます。
特に、要約と英作文は書き方の「型」を覚えるための訓練が必要とされます。

「自分の英語のレベルがわかりません。何から勉強を始めたらいいのでしょうか?」

回答:それでは、実力チェックのために、下記の問1から問3を解いてみてください。 最後に答えを載せますので、正解/不正解をご確認ください。

<問題>

問1:下線部のtermsの意味に最も近いものをア~ウのうちから1つ選べ。
They move too slowly, forget things and are inflexible. They don’t do teamwork and can’t adapt to new technologies. Many people describe older workers in these terms, and the characterizations are often the reasons personnel managers give for hiring younger employees instead.

  • ア:条件
  • イ:言葉
  • ウ:間柄

問2:次の英文の和訳として適当なものをア~エのうちから1つ選べ。
She realized that what made losing someone you loved bearable was not remembering but forgetting.

  • ア:彼女は誰かを失うことは愛したことを耐えがたくしたと気づき、そのことを覚えておかず、忘れることにした。
  • イ:愛する人を失うことを耐えられるようにするのは、その人を覚えていることではなく、忘れることだ、と彼女は悟った。
  • ウ:彼女は次のことを悟った。つまり、あなたが愛した人を失っても平気でいられるのは、その人を思い出そうとせずに忘れようと努めているからだ。
  • エ:何が愛する人を失うことを耐えられるようにしているかを、思い出せずに忘れてしまった、と彼女は気づいた。

問3:次の英文の和訳として最も適当なものをア~エのうちから1つ選べ。
Men were found to be no more likely than women to discuss “important” or “sophisticated” subjects such as politics, work, and cultural matters.

  • ア:政治、仕事、文化の問題といった「重要な」あるいは「高尚な」問題について論じるために、女性よりも全然可能性の少ない男性が見つけられた。
  • イ:政治、仕事、文化の問題といった「重要な」または「高尚な」話題について論じるよりも、男性のほうが見込みがないとわかった。
  • ウ:政治、仕事、文化の問題などの「重要」かつ「高尚な」話題について、男性は女性以上に論じそうにないということがわかった。
  • エ:政治、仕事、文化の問題といった「重要な」あるいは「高尚な」テーマを、男性は女性の場合と同様に議論しそうにないことがわかった。
<ヒント>

問1は、重要単語termの複数の意味を覚えていて、文脈に沿った訳の判断が出来ないと正解できません。

問2は、文章の構造がわかりますか?

問3は、”A is no more ~than B (is)”の重要熟語に沿って考える必要があります。

<答え>

問1:イ

問2:イ

問3:エ

上記、正解数が2問以上であれば、長文の過去問演習を中心に学習を進めていけばよいでしょう。2問未満の場合は、単語力と文法を総復習する作業と過去問演習を並行させる必要があります。

「長文の問題として心理学に関連する文章が出題される場合、どのような対策が必要ですか?」

回答:心理学に関連する文章が出題されるのであれば、心理学の背景知識を元に、文章の内容を類推していく力が必要となります。そのような力をつけるためには、心理英語と専門科目の勉強を並行させて行うと、効率的です。
たとえば、専門科目の語句説明の対策として、ノートを作成する場合、必ず語句の英訳と一緒に覚えるようにしてください。限られた時間で入試をクリアするために重要なことは、専門科目とリンクさせた学習方法です。

※専門科目の語句説明ノートの例

・防衛機制 defense mechanism
これは、S.フロイトの防衛理論を基盤に、自我心理学派のA.フロイトが体系化した心的メカニズムである。具体的には、自我を脅かす葛藤や感情に対して、自我が自らを守るために無意識的に用いる心的メカニズムのことであり、代表的なものに、抑圧、置き換え、昇華がある。S.フロイトは、不適応について、特定の防衛機制を常習的に用いることによって生じると考えた。また、M.クラインは、投影性同一視などの原始的防衛機制を提唱した。
大学院受験に必要なのは、単語力・文法力に基づいた英語の基礎体力と、志望校の過去問分析です。そして、それぞれの受講生に合わせた心理英語攻略法を実施できる点が、当予備校の強みです。もし、志望校の勉強方法がわからない等の悩みを抱えているのであれば、ぜひ1度お問い合わせください。

4.当予備校に対する主な疑問

「パソコンのwebを媒体にした受講とはどのような形態ですか?」

回答:主に「スカイプ」というパソコン通信を媒体にした、オンタイムで自宅において受講できるシステムです。従って、予備校に通学する時間が節約できますし、いわば「ムダ・ムラ」がなくなります。その他は下記に記述します。

・受講に必要な道具と手続き

①パソコンと、web通信で使う、「スカイプ」のインストール、「カメラ&マイクのキット(量販店で¥5000位)」があれば、全国津々浦々、どこでも受講できます。パソコンに苦手な方も操作は簡単です!

②当予備校と連絡を取り合い、「都合の良い日時」を決定します。1回の受講は、90minです。受講の形態は、もちろん「1対1」の個別形式です。皆様の学習進度に合わせて、受講できます。毎週お邪魔する「家庭教師」だと考えて下さい!

③コース制は、全20回ですが、基礎レベルの大学院であれば、全20回で十分です。
しかしながら、人気校・難関校になれば、少なくとも、「特別プログラム」など、プラス10回の受講が必要となります。

5.まとめ

早い時期から始めたほうが、心理的余裕・物理的時間的余裕が異なります。
合格なさった皆様でも入試前になると、常に「もっと時間が欲しい!!」という悲鳴が聞こえます。「早期開眼・早期準備」が受験をクリアするコツです!頑張って夢を実現して下さい!
2011年度の「合格実績」皆様を支えます!

臨床心理士を目指す皆様の最初の難関は、臨床心理士系の指定大学院へ合格し、修士課程を無事終えることです。その後に控えているのは、資格試験です。では資格試験に合格すれば、一人前の臨床心理士でしょうか?あり得ないことです。

医師の養成は、約年を要するといわれています。臨床心理士もこれと同様であると考えます。日本では「七・五・三」という昔からの発達に関する言い伝えがあります。3歳で「ちっちゃな大人」、5歳で「環境に合わせられる」、7歳で「やっと具体物であれば客観的な思考ができる」程度まで発達していきます。「七・五・三」足せば、という数字が出てきます。約15年を経て、一人前ではないですか?

「就職がない!」、「低収入だ!」ということを耳にします。一方では、「全く使えない」「役に立たない」という声があるのも事実です。目に見えない対人援助の専門職だからこそ、経験が基盤になる。従って、将来のビジョンや動機づけが受験生の皆様の原動力になるのです。